ユニバーサルデザインをイスに

木は空間の支柱となるだけではなく、人の体を支えるインテリアとしても利用されています。その代表がイス。ライフステージに応じて変化する体格に沿うイスは快適な生活に必要なインテリアです。子供の成長に応じてスタイルを調節できればとか、使う人が多くてスペースを取るのでスタッキングができればとか、座る以外の方法で使えたらなど、イスに寄せられる期待は大きいのです。
曲げ木の技術を駆使した由緒あるイス
機能性を重視すると見た目に劣ることが多いから、多機能でおしゃれだったらなあ。そう思ったことはありませんか。1つの芸術品としての魅力はコンセプトを叶えるフォルムと素材。木を湾曲させることはデザインとしても評価される技術なのです。イスの評価を上げる湾曲は木に蒸気をあてて作ります。その製造技術で湾曲部材の大量生産に成功し、世界にその名をしらしめたのがルシアン・アーコラーニさん(1888-1976)。ルシアンさんは1898年にアーコール社を設立。その後、現在に至るまで独自の視点で商品を作っています。桕(ぶな)のような良質なハードウッドからでも自在に湾曲を生み出します。アーコールの代名詞であるキレイなダブテールジョイントは世界中の多くの人を魅了しています。ホーランドパークチェアシリーズにはアームレスチェアもあるのでスタッキングすることができます。別売りのシートパッドをアームチェアに用いれば小さい子供も使うことができます。サイドチェア、アームチェアの価格はそれぞれ130,000円、100,000円。シートパッド25,000円。そしてネストテーブルはコンパクトに収納できる便利なスツールでもあります。価格は189,000円。詳しいサイズや日本での購入はお近くのショールームや代理店に相談してください。
肌を扱うように木にも紫外線の対策を
人の手で作り上げられたものだから、いつまでも大切にメンテナンスしたいものです。天然木材の劣化の防止には,ワックスを一時的な汚れの防止には消しゴムを用います。 ポイントは水を避けるということです。そして、素材が何かとその特性を理解する必要があります。本格的なメンテナンスには家具の病院を利用することもできます。そして、日焼けも木を劣化させる原因となります。人の皮膚にダメージを与える紫外線にはUVAとUVBがあります。地上に届く紫外線の95%を占めているのがUVAで残りの5%がUVB。さらにUVBよりも波長の短いUVCは今後、悪影響を及ぼすことが懸念されています。オゾン層を通過して地表に降り注ぐUVの量は、気象に関わらず正午がピークです。中でもUVAは7時から急激に放射量が増加するため、油断は禁物です。つまり大切なのは木も紫外線量の多い時間帯にケアすること。基本的に1年中UV対策は必要です。人の肌に使う日焼け止め。その防御力の指標にはUVBに対するSPFとUVAに対するPAがあります。大きい指数で示されるものが高い防御力を発揮しますが、分解した化学物質によるリスクもあります。紫外線は組織の表面を破壊するだけで、深部に到達することはありません。スタッキングして覆っておくとよいでしょう。覆うものは紫外線カットのカーテンからリメイク!大切なイスを紫外線による色あせや劣化による腐食から守りましょう。由緒ある技術を持つ人の手で作り上げられたものだから、いつまでも大切に使いたいですね。