一時的に増えるものに備えたスペースを持っておく

空間の容量はなんとなく意識していても、ものは一時的に膨らみます。宅配などでまとめ買いしたものを保管するスペースも必要です。つまり何も置かないフリースペースをつくっておくことです。そのためにまずすべきことはものを出さないこと。必要性の低いものは扉や引き出しのなかにしまいましょう。もののフォルムは無数の線となって、見た目にもスペースを圧迫します。デザインの色や文字も同様。これらを収納することで、狭い場合でも予備スペースを手に入れることができます。
増やせる家具を重ね家具する収納技術
一番シンプルなのが単調なデザインの家具を重ね置きすること。例えばカラーボックスはもともと収納家具として使われているもので、上にも横にも重ねることができて便利ですよね。そして、収納を目的としていないインテリア用品でも使い方しだいでは便利な収納スペースになります。例えば、同じローテーブルはいくつか上に重ねることで棚にすることができます。もちろんこれらは最初から増やし、重ねることを前提にデザインされていないので、安全性への対応は欠けています。倒れないように自分で固定する必要があります。しかし、最初から増やし重ねることを目的にしたインテリア用品もあるのです。それはMUJIポリプロピレン収納ラックです。その利点は何といってもコの字型のデザインと向きを逆さにしても積み重ねる設計。単独では2種類の、ふたつを組み合わせれば4種類の使い方ができます。増やすことでスペースの可能性がどんどん膨らみます。連結は4隅全ての穴に専用のジョイントパーツで接続するので上の積み重ねも安心。そして、キャスターを取り付ければ簡単に可動式にも。加えて、ポリプロピレンケース引き出し式・横ワイドシリーズとの積み重ねやスタッキングシェルフに対応した規格になっています。商品は、薄型(縦26×横37×高さ9㎝、耐荷重* 約3㎏)700円、深型(高さ17.5㎝、* 約4㎏)850円、深大型(高さ26㎝、* 約6㎏)1,000円の3タイプを展開。
部屋の境界はどちらからも使える工夫
例えばテレビやオーディオ。これを2つの部屋の境界に、可動式の家具の上に置く。ある時はダイニングで楽しむときに、ある時はリビングで楽しむときに。使わないときは動線を妨げないスペースへ。境界はシーンに応じて動かしやすいインテリアが大切です。空間全体として定位置を決めない工夫をするとよいのは、他にもテーブルやソファがあります。ダイニングテーブルだけでいいのか、別にコーヒーテーブルとソファもいるのかはスペースの確保に影響を与えます。ダイニングテーブルとセットであることが多いチェアはスツールにもなるという利点があります。使ってないときはものを置くことも、チェアどうしを重ねて置いてオブジェにすることもできます。そして、一部のソファはベットとしての機能もあります。必要な時は寝具でもあるのです。工夫が施された空間の中では当たり前に買いそろえるべきインテリア用品は必要なく、どう使うかがポイントなのです。みなさんの空間は、乱雑で不規則なインテリアになっていませんか。1つのものがどのような役割を持っているのかを見直すいい機会になることを祈っています。