家具を選ぶときに知っておきたい「色」の基礎知識

家具を選ぶ際、デザイン性と同様にカラーコーディネートの重要度も高いです。好みの部屋にするには、適切な色を使っていく必要があります。そこで「色」についての基本的な知識を解説し、部屋作りに役立つカラーコーディネートにも言及していきます。
色は心理的な作用を及ぼす
色はそれだけで何か私たちに物理的な力を働きかけるものではありません。しかし目で色をとらえるだけで精神面に作用を及ぼすことが分かっています。なんとなく暖かさを感じるような色や寒さを感じさせるような色があることを直感的に理解していると思います。ある色に近い物体や空間があると、そのイメージがそのままカラーイメージになることもあります。例えば青で海や空を連想する人もいるかと思います。そして無意識に次は海や空のイメージが頭の中にできて涼しさや解放感、冷たさなどをイメージします。青を見ただけで明確にここまで連想することはありませんが、意識の深いところでこうした連想が起こり色に対するイメージが出来ています。例に挙げたケース以外にもあります。海や空のように現実に存在するものを連想してイメージを繋げるだけでなく、本能的な部分に働きかけ、具体的な物体やイメージがなくても心理的な効果が得られることもあります。組み合わせによっても効果は変わってくるので非常に複雑です。
色相やトーンなどの用語を理解しよう
色相と色相環
色相とは、色の種類の違い、赤や緑、青といった色味のことを表します。カラーコーディネートをする際には色相環による配置が重要になってきます。色相環とは円状に色相を並べたもので、グラデーションのように色を配置、隣同士の色や反対側にある色など、組み合せた時に特別な意味を持つ色がどれなのか一目で分かります。
トーン
トーンは明度と彩度を合わせて考えます。色調とも呼ばれます。明るさと鮮やかさを二次元チャートで表現すると、ビビットなどのグループに分けることができます。彩度が鮮やかさ、明度が明るさになります。明度が高いものがホワイト、中間にグレーがあり、一番明度の低いものがブラックになります。彩度が低い場合には薄い印象になり、逆に高いものだと原色になります。
有彩色と無彩色
無彩色とは彩度がなく、ホワイトからブラックまで明るさのみの指標で表される色です。まさに混じり気のないホワイト、ブラック、そしてグレーなどが無彩色に該当します。有彩色は彩度の概念も追加された色で、青や赤など多くの色は有彩色に該当します。有彩色の場合色相と明度、彩度の違いによって分類できます。
色で感じる重さや膨張も考慮してカラーコーディネートしていく
色には明るさによって膨張して見える物や収縮して見えるものがあります。白のようにとても明るい色では膨張色になることが多く、逆に暗い色は収縮色として引き締まって見せることができます。さらに、色の配置の仕方によっては重さを感じる部屋になることもあります。圧迫感と言い換えることもできます。これに各色のイメージなどが加わるため、総合的に適切な配色を判断しようとすれば考慮しなくてはならない点が多く、カラーコーディネートの奥深さに気が付くかと思います。