1930年代の名作椅子8選

1930年代は、経済不況と第二次世界大戦が勃発した時代背景。革新的な椅子の設計が第一次世界大戦が締結した20年代のインテリアデザインの動向を引き継いだ形で、進歩した時期でもあります。20年代にスチールパイプのデザインが蔓延しましたが、30年代は木材を使用した成型合板などのミニマルなデザインが多く世に送り出されました。この10年間に生まれた名作椅子の紹介です。
目次
Isokon Long Chair
アイソコンロングチェア
ハンガリー生まれの建築家・家具デザイナーブロイヤー(Marcel Breuer)が作り出したロッキングチェア。パイプを利用した金属製名作椅子で有名なブロイヤーの木工技術、成型合板でのロッキングチェア。
Isokon Shot Chair
アイソコンショートチェア
同じくブロイヤーによって設計された椅子。1937年に初めて製作されました。
Stool60
スツールE60
技術開発から人材育成までその軌跡を残したフィンランドの建築・家具デザイナーアアルト(Alvar Aalto)自ら設計した建築に使う家具を数多く作り出して、椅子の歴史の中でもエポックとなる名作椅子を生み出した。スツールE60はアアルトレッグと呼ばれる曲げ技法で作られ、スタッキングできるスツール。シンプルながら飽きの来ないデザイン。日本でも至る所で見かける。
Armchair 403 Hallway
アームチェア403ハイウェイ
アアルトの設計により作られた家具。肘掛がついてスタッキング可能なクールで軽やかなデザイン。バーチのシンプルなフレームとバーチの成型合板で作られた座面と背もたれの椅子です。
Armchair 400
アームチェア400
ミラノトリエンナーレのために1936年に製作アアルトのアームチェア。アアルトは若い頃は、当時の時代背景の影響から金属素材を用いたましたが、その後は積極的に木の材料でモダンデザインを表現しました。この椅子も木の暖かみを感じる合板で成型され、快適なクッション性のある座面が施されています。
Zig-Zag
ジグザグチェア
オランダ建築家リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld)によって作られた名作椅子。斬新なフォルムは実験椅子のような作品で、座ることを初めは躊躇してしまいそうですが、強度の工夫が上手く施されています。一度見たら忘れられない印象的なフォルムです。横から眺めるとまさにジグザグ、見た目通りのネーミングです。4枚の板を三ヶ所で組んであり、補強のための隅木を入れています。
Perillian Chair
ペリアンチェア
パリ生まれのインテリア・家具デザイナーペリアン(Charlotte Perillian)。コルビジェのスタジオに入り、合作の名作椅子を数々作り出した。積層合板に切れ込みを入れて、プレスしたシンプルなペリアンチェアは彼女の代表作。スタッキングもでき機能美溢れる椅子です。
Barrel Chair
バレルチェア
アメリカの20世紀を代表する建築家ライト(Frank Lloyd Wright)は、建築ごとに、椅子をデザインしました。ライトが設計した日本の帝国ホテルも、彼のデザインの椅子が使われました。
バレルは樽という意味。全体的になんとなく樽がイメージされる椅子。高級感のあるチェリー材と座面は布張り。