ダボを使った日本伝統の木材の接合技術

ダボとは木材同士を接合するために使用する、木製の木栓のことをいいます。ダボとボンドを穴に入れて連結されるため、表に釘やネジなどが見えることがなく、きれいに仕上がります。
ダボを使った接合方法を「ダボつぎ」といいます。似たような接合方法に、角材を使用した「ホゾつぎ」という接合があります。
主な用途
主に木材の家具を連結するために使用します。片方の木材にダボを取り付け、もう片方の木材には穴をあけて接合させます。引き出しなどを組む際に良く利用されています。また、ビスを隠すための木栓としても使用されています。
ダボの特徴
ダボは木製の小さな棒で、市販で売られているダボの長さも太さもいろいろあり、スパイラル状の溝が入っています。スパイラル状の溝がある理由は、木材の穴に入りやすくするためと、ボンドの水分を吸収して中で膨張し、結合しやすくするためです。
ダボの打ち方の説明は以下の通りです。
①木材にダボをうつ場所を決め、罫書きます。
②木ダボドリルで垂直に穴を開けます。ドリルガイドという垂直に穴を開けられるガイドを使用することもできます。
③接合する木材の同じ位置に罫書きます。マーキングポンチという開けた穴に差し込み、接合板を合わせるだけで印が付けられるグッズも使用できます。
④接合の木材に木ダボドリルで垂直に穴を開けます。
⑤双方の穴とダボにボンドを塗布し、接合する面にもボンドを塗り接合します。
デメリット
ダボは木材と木材を接合するためのものなので、通常は2つ以上ダボを使用しなくてはなりません。木材同士のダボの位置が正確でないと強度が保てなかったり、隙間ができてしまうことになります。ダボにボンドを塗布したらすぐに穴に差し込まないと、ダボがボンドを吸収して膨れてしまい入らなくなってしまします。ダボはしっかりと手順を踏んで、垂直に穴を開けられればジョイント力はありますが、垂直でないと結合の強力が弱まります。ダボは垂直に差し込んでいるため、垂直に引き抜く力には弱いですが、破断には強い接合です。
家具と同じ材質のダボを使用するとより一体感が出ますが、円筒状に切り出すのは手間と技術が必要です。自分でダボを作り出すには、専用の機材が必要になり、木材も余分にないといけません。
まとめ
家具を接合するにはいろんな方法があります。釘やネジを使用したものをすぐに思い浮かべますが、木製のダボという木栓を使用した接合方法もあります。ネジなどを使用するよりも、きれいに美しく見えるという特徴があります。
美しく見えますが、ダボを使った接合方法は難しいものです。垂直に穴を開けなければならなかったり、木材同士のダボの位置が同じでないと、接合しても強度が十分ではなく、美しさも損なわれます。技術と手間がかかります。DIYという自宅で自ら家具などを作る場合、市販されているダボを使用して、接合までこだわって作ることも可能です。
市販されているダボは主にブナ材でできています。ダボつぎは家具の接合として一般的に使われているホゾつぎよりも、精度が高く難しい接合方法になります。さまざまな接合方法がある中で、ダボを使用した接合はとてもきれいで見た目が美しくなります。目に見えないところにも配慮がしてあると、より一層素敵な家具になりそうです。