ポリエチレン袋の耐性は?料理やインテリアに活用する場合

ポリエチレン (polyethylene) 略称PEは、エチレン分子が連続した高分子化合物です。分子配列としては、非常に単純な構造をしています。そして、プラスチックのなかでは原料費が最も安くて、加工性に優れた素材です。つまり、大量生産品に適した素材であり、ゴミを入れるポリ袋や食品ケース、バケツなどの日常品、灯油を入れるポリタンク、ソファなどの家具類、と言った具合に商品を挙げれば切がありません。
ポリエチレンは大きく四つに分類されます。それは低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、それにゴムのように弾力性があるEVA樹脂、更に超高分子量ポリエチレンです。後で説明しますがEVA樹脂、超高分子量ポリエチレンは通常のポリエチレンとは異なる優れた特徴を持っています。また、ポリエチレンはリサイクル率が高く、回収したポリエチレン製品はペレット状に分解し、新たな商品の原料になっています。
ポリエチレンの特徴
ポリエチレンの最大の特長は安価で加工がしやすく、大量生産に向いていることです。バケツやゴミ袋、御気付きのように火や熱に弱い特徴があります。その反面、寒さに強くマイナス20℃位までなら、柔軟性があり、商品の特徴を失うことはありません。
また、防水性と絶縁性、さらに耐油性にも優れています。軽くてほとんど水を通さない特徴は、食品の入れ物には欠かすことはできません。外であれば、植木鉢とか雨のかかる場所に置くマットに最適です。要注意は素材表面の接着性がよくありません。普通のポリエチレンは印刷や塗装をしてもすぐに剥げてしまいます。
ポリエチレンの利点
・水をほとんど通さないので、防水性が高い
・低音域に強く、-20℃程度までの耐性がある
・酸やアルカリに強く、耐薬品性がある
・電気絶縁性が高く、電気を通さない
・耐油性があり、石油タンクなどの素材に使える
ポリエチレンの欠点
・耐熱性が低く、火や熱に弱い
・表面接着性が低く、印刷や塗装が難しい
ポリエチレンの主な用途
ポリエチレンは生活に密着した素材であり、必ず私たち消費者の周りにあるものです。繰り返しになりますが、食器類、ポリバケツ、食品ケース、ゴミ袋、サンダル、三輪車のタイヤなど。冬になれば灯油を買いにポリタンクを使います。因みに商品の頭に付く”ポリ”はポリエチレンのポリです。
EVA樹脂(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer)は、エチレン ビニールアセタート コポリマーの略称、一般的なポリエチレンより、ボムのような弾力性があり、光沢があり、耐候性にも優れています。また、着色が容易なのも特徴です。従って、カラフルなテーブル、椅子などインテリア商品にも採用されています。
超高分子量ポリエチレンとは、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類される素材です。特に耐熱温度は150℃以上もあり、耐摩耗性、耐衝撃性に優れています。そのため歯車、シャフト、軸受けなど金属の代用にもなります。
ポリ袋などの購入の際は耐性をしっかり確認して購入
日頃、身の回りに沢山あるプラスチック商品、あまり素材が何であるかを意識することはありません。しかし、思いのほかポリエチレンが使われています。日常、私たちがいつも使う町指定のゴミ袋のことです。家庭ゴミというのは、紙、残飯、その他に掃除に使ったアルカリの液がしみ込んだ布、薬品など、いろんな汚物が入り混じっています。こんな集合ゴミを一手に詰め込むゴミ袋、これは単に丈夫だけでは用を成しません。耐酸性、耐アルカリ性がなければ、漏れた酸性、アルカリの液が袋に穴をあけます。実に「たかがゴミ袋、されどゴミ袋」です。
繊維紐のようにしたポリエチレンは加工されてお洒落な椅子にも姿を変えています。単に射出成型のように金型で作られる商品だけでなく、人の手によって編んでいるような部分もあります。もちろんポリエチレンは化学素材ですが、網目模様も様々で、何とも言えない暖か味を感じるものです。商品をいろいろ見てまわり、ポリエチレンの可能性に驚くばかりです。