ラバータイルを活用したDIY術

合成ゴムはクロロプレンやブタジエンと呼ばれる分子が連結した高分子化合物、ラバータイルはこの合成ゴムを主原料にして作った床仕上げ用の内装タイルのことです。厚めで独特の弾力と歩行感があり、しかも水に濡れても滑りにくい特徴があります。ゴルフ場の受付ロビー、百貨店や大型スーパーの床材などに使用されています。ただし溶剤や強アルカリ性、油類に弱く、清掃などのメンテナンスは、経験を積んだ専門性が求められます。
最近はホームセンターに行くと、住宅用建材やエクステリア用品の売り場でラバータイルをよく目にします。モルタルの床の駐車場に敷いたり、クッション性があるので子供の遊びスペースにも利用されます。通常、施工は専門家にお願いすることになりますが、ラバータイル同士をワンタッチで繋げる商品もあり、日曜大工でチャレンジする方も多いようです。
ラバータイルの特徴
ラバータイルの特徴は、施工の容易さです。特に大きな面積に敷く場合は工期がかなり短縮されます。形状は真四角、やや長方形のものが大半です。また、色彩も豊富でです。更にゴム質ですからクッション性があり、転倒しても怪我の防止になります。注意しなければならないのは、清掃の方法です。強アルカリの洗剤、溶剤の入った洗剤への耐性は強くありません。汚れが気になって清掃する時は、専門的な知識のある業者にお願いするか、清掃ノウ・ハウを勉強してから実施しましょう。
利点
・色彩が豊富である
・水に濡れても滑りにくい
・薄手の商品であればカッターナイフでも切断が可能、敷き詰め作業が容易
・ゴム質ゆえにクッション性がある
・陶器製のタイルと比べると、面積あたりのコストは安価である
<欠点>
・陶器製のタイルと比べると耐熱性は劣る
・溶剤や強アルカリ、油類に弱い
・陶器製タイルと比べて耐候性は劣る
主な用途
ラバータイルは陶器タイルと比べて、小さいもの、かなり大きなものまで商品があります。敷き詰める際も、下地への密着性も良く、工期を短縮できます。床材に使えば、ゴム質ゆえのクッション性もあり、モノを落とした時の衝撃を吸収します。このような特徴を基に、ラバータイルの主な用途を下記に示します。
・スポーツジムやトレーニングルームの床面保護と衝撃の吸収
・クッション性があり、子供の遊び場や、高齢者のプレイルームに有効
・立ち仕事の多い作業場や、調理場での腰痛予防
・工場の防音、防振、部品落下時の床の保護と破損防止
・敷き詰めが容易なので展示会場や臨時店舗の床材に使用
・適度な弾力性があり、ペランダや軒先の敷物として最適
ラバータイルの手入れ
ラバータイルは強いアルカリ洗剤に強くありません。特に色の薄いラバータイルに強アルカリ性の剥離剤を使うと黄色く変色する可能性があります。この場合、元の色には戻りません。ラバータイルを清掃をする時は次の点に注意して下さい。
・アクリルワックス(樹脂ワックス)は不可、半樹脂ワックスをお勧めします
・ワックスの厚塗りは避けてください
・表面の剥離は、剥離剤をアルカリ性から中性近くまで薄める
・中性洗剤で剥離可能なものがあれば、それをお勧めします
・ゴム質は溶剤に溶けるので溶剤入り洗剤も避けてください
まとめ
陶器タイル、つまり焼き物タイルは見た目の華やかさが大切です。表面は光沢があって大変きれいです。反面、ラバータイルは見た目よりも機能的な特徴を重視する素材です。ゴム質のもつ弾力性、滑りにくさは他に代用する素材はありません。大理石の硬い床よりもラバータイルの方が足裏にソフトです。長時間の立ち仕事には大変助かります。
筆者の体験で恐縮ですが、ラバータイルの柔軟性が印象にあります。古い展示場の床に凹凸があり、見栄えのしない床に困ったことがありました。臨時に大きめのラバータイルを敷いて凌いだ経験があります。体験的にもう一つ、工場では振動する機械類が連続稼働しています。機械をラバータイルの上に設置することでかなりの振動音を減らすことができます。もちろん、清掃のこともありますから、機械とラバータイルの間にはステンレスの板を敷きましたが。現在はラバータイルの色彩も豊かになり、デザイン性を必要とする壁などにも用途が広がっています。