階段箪笥を活用した日本風インテリア

階段箪笥とは、階段下のスペースを有効活用するために、抽斗(ひきだし)や戸棚を取り付けた、時代箪笥のことをいいます。江戸時代初期に使われ始め、町家などの比較的狭い家に置かれていて、箱階段とも呼ばれていました。現在も使われている衣装箪笥よりも先に階段箪笥ができていたと言われています。
主な用途
江戸時代初期に作られ、階段箪笥の段々になっている部分は、家の2階へ上がる階段の踏み面となり、階段箪笥の抽斗や戸棚などには、食器などを収納していました。現在では階段としての用途のみには限定せず、部屋の好きな空間に設置し収納家具として、インテリアを飾って楽しむアンティーク家具として使われています。階段の段々になっている踏み面部分には、花や小物を飾ることができます。階段箪笥を間仕切りとして部屋の真ん中に設置することも可能です。
階段箪笥の特徴
階段箪笥の特徴は、まさに階段のような外観です。段々になっているので一番下が大きく、上に行くにつれてどんどん小さくなり、最上部は一番小さくなります。抽斗や棚の大きさは段々に合わせた大きさであることが特徴で、さまざまな大きさの小物や雑貨をしまっておくことができます。建物のサイズに合わせて作られているので、いろんな大きさや形の階段箪笥があり、建物に造り付けられた階段箪笥もあります。
デメリット
階段型の箪笥なので真四角ではなく、収納部分の抽斗や戸棚の大きさがまちまちです。四角い箪笥とは違い、階段という独特な形なので印象が強すぎる場合もあります。特殊な形ゆえ、設置場所に悩んでしまうこともあります。階段として階段箪笥を使用する場合、踏み面の幅や奥行きが小さく、昇りにくくなります。商品によっては安全のため手すりの付いた階段箪笥もあります。
アンティーク家具なので、価格帯は比較的高くなります。1点ものになってしまい、イメージする階段箪笥をなかなか見つけることができないかもしれません。アンティーク家具は昔に作られたもの。ほとんどは中古品となり箪笥に傷みがありますが、職人が傷を修理して販売している商品もあります。
まとめ
現在ではほとんど見掛けることのなくなった階段箪笥。衣装箪笥よりも古い歴史を持ち、階段としても収納としても使いやすいように、職人がさまざまな工夫に工夫を重ねてきました。階段箪笥は人目に付きやすい場所に設置されるようになり、どんどん造りが立派になってきたと言われています。家族団らんの場所にも置かれるようになり、食器棚としても活躍していた当時の風景が思い浮かびそうです。
階段の踏み面はステップになっているので、インテリアや花などを飾ると、飾ったものの存在感が際立ちます。和箪笥なので和食器など、和の小物を飾ると相性が良いでしょう。独特な形ゆえ、収納場所に困ることもあります。ですがその独特な形の階段箪笥は、そこにあるだけで人目を惹く素敵なインテリアになります。壁際に背面を付けて、段々となっている形を良く見えるように設置するのもいいですが、一番背の高い側面だけを壁に付けると階段が立体的となり、部屋の間仕切りとして使用すると面白いかもしれません。
昔の階段箪笥を真似て、今の時代に合わせた階段型収納も販売されています。現在の階段型収納はモダンで、どの家にもありそうなオシャレなものがあります。昔からある階段箪笥と同じ階段型なので、設置するととても存在感のあるものになりそうです。
現在の狭小住宅など、狭い住宅でデッドスペースを有効利用するため、階段下を収納にすることがよくあります。江戸時代初期という大昔にその知恵がすでにあったということに、驚かされます。古い歴史を持つ階段箪笥は、昔の人の知恵の詰まった、家族団らんの象徴だったようです。