アクリル樹脂とFRP樹脂の違い

アクリル樹脂の得領と今後

アクリル樹脂とは

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アクリル樹脂は、化学的にいうとアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルからできた高分子化合物です。私たちが日常、よく目にする板状のプラスチックです。

アクリル樹脂は熱可塑性(ねつかそせい)のプラスチック、つまり加熱すると軟化し、冷えると硬化する性質をもっています。透明度が非常に高く、アクリル樹脂同士を何枚か貼り合わせて厚くすることもできます。軽量で割れても比較的安全です。耐用年数も条件に依りますが、10年~20年程度あります。加工もし易く、薄いものならカッターで切断できます。

アクリル樹脂を使って有名なのは、沖縄美ら海水族館(おきなわちゅらうみすいぞくかん)です。第1回ものづくり日本大賞を受賞したあの水槽は、世界40カ国で実績のある日本プラ株式会社が施工した高さ8.2m、幅22.5m、厚さ60㎝の大水槽です。これもアクリル樹脂の圧力耐性の高さを象徴したものです。
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アクリル樹脂の特徴

アルカリ樹脂の優れた特徴はたくさんありますが、特に強調したいのは優れた透明性と耐衝撃性能です。前述で巨大な水族館を例に挙げましたが、7枚のアクリル樹脂を接着して作った厚さ60cmあります。このアクリル樹脂の板は7500トンの水圧に耐えることができます。更に、その透明性は素晴らしく、ジンベエ鮫の泳ぐ姿は迫力満点です。

アクリル樹脂の欠点は傷が付き易いことですが、シリコーン等の化合物を表面に塗布することにより、傷つきやすいという欠点は大幅に改善されています。一般的なアクリル樹脂の特徴は次のようになります。

アクリル樹脂の利点

・耐衝撃性が高い、ガラスの10倍~16倍程度ある
・割れてもガラスのように飛散しない
・紫外線や風雨に強く、野外でも10年~20年以上の耐久性がある
・アクリル樹脂の光透過率は93%、ガラス以上の透明性があります
・加工性に優れ、切断、研磨、切削、接着が容易です
・電気絶縁性が高く、高電圧部の絶縁材料としても使われます
・使用可能温度域はマイナス40度~プラス60℃、一般使用では十分な範囲です

アクリル樹脂の欠点

・表面は硬いが、傷が付き易い

・熱に弱く、可燃性である

・100℃程度で軟化して変形、高温の場所では使えない

アクリル樹脂の主な用途

卓越した特徴の多い樹脂ゆえに、用途も多岐に渡ります。何度も紹介しました透明性と強度を生かした巨大水族館は代表例ですが、挙げるとすれば次のようなものがあります。とてもすべてを網羅できませんので、漏れた項目は御容赦ください。

・とんでもない水圧がかかる深海探索船の窓
・アメリカの代表的なF15戦闘機の風除けのキャノピー
・ボールペンやコップ、携帯電話の窓、自動車のテールランプ、照明器具や看板など
・撥水性という特性を生かし、浴槽や洋式トイレにも使用
・加工性が高く、ガラスよりも光を透過するという性能から光学レンズに使用
・固体として成形される以外に、アクリル樹脂による絵の具や接着剤、塗料などにも使用
・ABS樹脂に増量剤として使用されることがある

3Dプリンターの登場で今後さらに注目の素材

アクリル樹脂の性能について、いろいろ書いてきましたが、日常の生活に無くてならない素材であることは間違いありません。軽い、加工がし易い、ガラスを凌ぐ透明性、丈夫であることは、工業製品にし易く、大量生産で潤沢に市場に出せる大きな要素です。そして、私たちは、その恩恵を受け、暮らしを豊かにしています。

今後の進化発展についてですが、今まではアクリル樹脂を使った商品の多くは成形品です。つまり、金型に合わせた固体の製作が主流でした。もちろん、今後も主流だと思いますが、今は副流である3Dプリンターによる、アクリル樹脂を使った製法が気になります。この流れはABS樹脂でも始まっています。特に海外勢がアクリル樹脂を使った光学レンズの分野で目を見張るものがあります。アクリル樹脂は、熱で軟化する材料です。この特性を生かし、3Dプリンターの技術と融合した市場が成長しつつあります。これに乗り遅れると大変です。日本勢の頑張りに期待しつつ。

っている頼もしい存在です。

FRP樹脂とは

FRP樹脂はFiber-Reinforced Plastics (ファイバー・レインフォースト・プラスチックス)の略称です。繊維強化プラスチックともいいます。繊維と樹脂を用いてプラスチックを補強することで強度を向上させた複合材料です。プラスチックは軽量ですが、弾性率が低く割れやすいのが欠点です。この欠点を繊維質を混入することで克服しているのです。

混入する繊維材料はいろいろですが、代表的なモノがガラス繊維です。ガラス繊維を混ぜたものがGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、一般的にFRPと言うと、このガラス繊維強化プラスチックのことを言います。

GFRPより高価になりますが、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)という材料もあります。GFRPより強度がある分、積層数を減らして軽くすることができます。建物の屋根材や耐震補強材としても最適です。

FRPの特徴

通常、繊維強化プラスチックは工場で作られた成形品を目にすることが多いのですが、繊維材料とプラスチック材料を別々に購入して、屋上の防水工事をしたり、構造物を作ることもあります。繊維素材はガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、アラミゾ繊維など。プラスチック材料には、熱で硬化する不飽和ポリエステルなどが使われます。

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)は軽量で高い引っ張り強度があります。錆(さ)びたり腐ったりしない耐侯性があり、様々な形状に製作できて着色も自由です。さらに、耐熱性、耐薬品性、断熱性に優れる他、電気絶縁性、電波透過性もあるという優れものです。従って、建材、電子部品など幅広い分野で使用されています。一般的な特徴は下記の通りです。

利点

・金属より密度あたりの引っ張る強度が高くて軽い
・耐熱性、耐薬品性、断熱性に優れる
・耐腐食性があり、保温性がある
・重量増を気にしなければ、補修が可能である
・電気絶縁性、電波透過性は電子分野に欠かせない性能

欠点

・素材分離が困難でリサイクルや廃棄処分が難しい
・廃棄コストが想定以上に膨らむことがある
・クラックのような細い割れが外部検査で判別し難い

主な用途

FRP(繊維強化プラスティック)の用途は広大な広がりをもっています。建材はもちろんのこと、航空宇宙産業、電子部品業界、スポーツ業界、娯楽・エンターテイメントと数えれば切がありません。丈夫で軽い特性を生かして、航空機の主翼部品にも使われます。GFRPは安価で形状の自由度が高く、バスタブや洗面台、浄化槽などに多用されています。

一部しか記述できませんが、映画撮影用の小道具、船舶、自転車、自動車、スポーツ用品、電子部品を取り付けるプリント基板、変わったものでは赤い円柱形の郵便ポストなどがあります。
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まとめ

FRP(繊維強化樹脂)の類を見ない性能ゆえに、その用途の広がりは大変なものです。生活のありとあらゆるところにFRPが使われていると言って過言ではありません。この流れは止まらず、更に進化発展していくと思います。しかし、FRPは複合材料です。そして、突出した耐熱性や耐薬品性、強度があります。別の視点から見ると、この優秀な材料は、リサイクルや廃棄処分する時には相当やっかいになるということです。高い耐熱性のものを焼却するには、相当な高温焼却が必要です。粉砕するにしても、強度のある物体、簡単ではありません。

技術革新はバランスが大切だと思います。プラスチックやガラス繊維は放置しても自然に還りません。現在社会には化学的に安定した、熱に強かったり、強度の高い素材の開発は必要です。その一方で、環境問題も深刻です。処分技術の開発も待ったなしの技術です。FRPの良き特徴を書きましたが、FRPの処分技術も気になるところです。

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