ポリプロピレンのメリットとデメリット

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ポリプロピレン (polypropylene) 略称PPは、プロピレン分子を連続して結合させた高分子化合物、加熱することで柔らかくなり、冷やせば固まる熱可塑性(ねつかそせい)のプラスチックに属します。高い耐熱性能を有し、素材の比重は0.9、高分子化合物の中では最も軽い材料です。更に加工性に優れ、身の回りにはポリプロピレンで出来た商品がたくさんあります。日常品ではバケツ、食品を入れるタッパー、医療用では注射器など。

ポリプロピレンの開発はドイツの化学者カール・チーグラーがチーグラー・ナッタ触媒を発見したことに端を発しています。そして、カール・チーグラーは、このポリプロピレンの発見によって1963年にノーベル化学賞を受賞します。商業利用は1957年にイタリアのモンテカチーニ社が生産を始めています。

商業利用し易い、沢山の利点をもったポリプロピレンですが、表面への印刷や接着が難しい弱点があります。接着や印刷をする時は、専用の表面処理を施してそれを可能にします。
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目次

ポリプロピレンの特徴

ポリプロピレンの最大の特徴は、プラスチックのなかで最も軽く、加工性に優れていることです。しかも、素材価格が安価です。このような理由から家庭用品、注射器などの医療用品にも用途が広がっています。このように沢山の長所をもった素材ですが、耐候性が良くないなど幾つかの欠点もあります。特徴のポイントは次のようになります。

利点

・引張強度、衝撃強度、圧縮強度といった機械的強度に優れる
・水を通さない
・プラスチックの中では一番軽い(比重0.9)
・複雑な成形、切削、切断などの加工性に優れる
・透き通った透明ではないが、ある程度の透明性がある
・着色した時の発色性がよい
・耐熱性、耐摩耗性に優れる
・酸やアルカリにも強く、耐薬品性に優れる

欠点

・耐候性が悪く、日光にあたると白くなる
・熱による膨張係数が大きい
・接着性が悪く、表面に何かを接着するのが困難である(専用の接着剤はある)
・特殊な表面処理をしないと、印刷ができない
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主な用途

特徴を活かした商品は、身の回りに沢山ありますが、特に抜群の軽さ、加工のし易さがコストパフォーマンスを際立たせています。家庭用品では、バケツ、食品を入れるタッパー、CDやDVDのケースなど。耐熱性があるので電子レンジの覗き窓にも使用されています。

酸やアルカリに強く、耐薬品性は医療業界で貴重です。特に半透明の注射器は馴染みがあります。住宅用品にはポリプロピレンを繊維状にして編んだタタミ、カーペット、成形してカラフルに着色されたお洒落な椅子など、インテリア用品にも用途が広がっています。通信関係では電線や光ファイバーの被服にも使われています。衣料品では使い捨てオムツ、下着や靴下、アンダーシャツなどにも。建築現場や漁業では使われるロープにもポリプピレンが使われています。
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まとめ

ポリプロピレンはプラスチックの一つ、プラスチックは他にもポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABC樹脂などあり、専門家でなければ簡単に見分けられません。それどれ固有の特徴をもち、ニーズの多様性を実現する素材になっています。ポリプロピレンもその特徴をいかんなく発揮している素材ということです。

酸やアルカリ、耐薬品性があるのも大きな特徴です。これがある程度の透明性があり、軽いということで注射器に使われています。すばらしいアイデアだと思います。さらにポリプロピレンは繊維状に加工できる特徴があります。この特徴が使い捨てオムツ、下着や靴下、アンダーシャツといった衣類になり、居間に敷くカーペットなどのインテリアに使われています。安価な素材、加工性に富むということは、私たちの生活を益々豊かにしてくれます。

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