インシュレーションボード

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インシュレーションボードは木材を繊維(ファイバー)状にしてから接着剤を配合し、熱圧成形して板にしたものです。軟質繊維板ともいいます。主に廃材や、木質密度の小さい広葉樹を原料としています。欧米において木質資源の有効活用を図るために発達しましたが、日本にも輸入され、進化発展してきたものです。日本ではJISA5905で規定された繊維板の一つです。工業的に作られた木質材料ですから、天然材特有の伸び縮みや反りがなく、表面も滑らかな材料です。

繊維板は木質密度で三種類に分類されています。インシュレーションボードはその中でも、一番密度の低い板です。参考までに一番密度の高い板はハードボード(硬質繊維板)で、密度は0.80g以上/立方センチメートルです。二番目はMFD(中質繊維板)で密度は0.35g以上0.80未満/立方センチメートル、インシュレーションボードの密度は0.35g未満/立方センチメートルです。

軽くて断熱性・吸音性に優れており、畳床(たたみどこ)の芯材や断熱・防音材、外壁下地材などに使われています。

目次

インシュレーションボードの特徴

繊維状にした木材に接着剤を配合して作った板ですから、少々、耐水性が問題です。しかし、使用する木の種類、接着剤の種類、木質密度の組み合わせで、その性能は変わります。インシュレーションボードであっても耐水性のある製品も発表されています。一般的な特徴は以下の通りです。

利点

・強度に方向性がなく、材質も均一である。
・割れ、狂い、変形を起こさず、虫害の心配がない。
・断熱性、保湿性、吸音性にすぐれている。
・軽量の割に強度がある。

欠点

・木質に樹木特有の粘りが無く、もろく、クギ締まりが悪い。
・吸湿すると膨張する。

主な用途

インシュレーションボードは密度の高い順番にシージングボード、A 級インシュレーションボード、たたみボードの三種類に分類されています。用途も断熱材、たたみの芯材、家の外壁下地材として使われています。

A級インシュレーションボード

断熱材として利用されます。冷房・暖房で作られた建物内の温度・湿度環境を保ち、外気との熱移動を少なくします。

たたみボード

畳床(たたみどこ)の芯材に使われます。木質性ですので当然に”吸湿、放湿能力”が”稲わら畳床”のようにあります。、”たたみボード”は木質密度が低く、畳の上からの足触りを柔らかくします。

シージングボード

高い防水性・透湿性を備えており、内部結露が発生しやすいモルタルやサイディング外壁の下地材におすすめです。

まとめ

スギやヒノキの原木を製材して、柱や梁、床材などになります。家のいたるところに製材された木が使われます。原木が一定の長さや、広さに裁断される時、どうしても端材がでます。今回のインシュレーションボードは、すべてとは言いませんが、かなりの端材が原料に生かされています。資源の有効利用という視点からも素晴らしいことです。

また、繊維板は工場の中で大量生産されています。工業製品ですから、品質は均一で価格も安くなります。これも私たち消費者にとっては大変助かる面です。

ただ、繊維板を扱う会社も多数、商品も多数となれば、採用する時に迷いの種になってしまいます。商品の特徴については、業者さんの説明を鵜呑みにすることなく、勉強するつもりで複数の業者さんから話を聞いて、地道に理解を深めていくことが大切です。